プレミアリーグ参入戦出場決定!
プリンスリーグ東海優勝!
初優勝で新しい景色が見えた浜松開誠館…青嶋文明監督「色々な戦い方ができるようになってきた」
◆高円宮杯U―18サッカープリンスリーグ東海 浜松開誠館2―1常葉大橘(3日・静岡市とこはグリーンフィールド)
初優勝を飾って喜ぶ浜松開誠館イレブン© スポーツ報知/報知新聞社
浜松開誠館が常葉大橘を2―1で下して初優勝を飾った。前半45分にFW坂上輝(3年)のゴールで先制すると、同点で迎えた後半41分に途中出場のFW山口莉生(3年)が3戦連続となるゴールを奪い、8連勝で締めた。県選手権との2冠を達成した開誠館は、9日から広島で行われるプレミアリーグプレーオフ(参入戦)に臨む。
開誠館の勢いが止まらない。9月10日の第11節(対藤枝明誠)から、無傷の8連勝で突っ走ってリーグ戦を締めた。10―11月の県選手権を含めると、公式戦12連勝。ベンチ前で青嶋文明監督(54)からハイタッチの祝福を受け、イレブンから笑顔がこぼれた。
優勝のかかった大一番。負けると藤枝明誠に逆転される可能性もあった。だが「冷静にプレーできるところがすごい」と指揮官は選手を褒めた。序盤から主導権を握って攻め続け、前半終了間際に先制。橘をシュート0本に抑える完勝ペースだった。
同点を許しても表情は変わらない。後半8分、ゴール前での不用意な反則でFKを与え、5枚のカベ越しに直接決められた。それでも動揺は見せない。相手GKの好守に阻まれても、練習した通りにパスを回して攻め続ける。そして41分にゴールをこじ開けた。「普通なら引き分ける展開。それを取り切ってしまう」と、チームの勝負強さに目を細めた。
選手層の厚さも光った。後半からピッチに立ち、ウィングバックに入った兼子壮太(3年)が右サイドの突破を徹底。ドリブルで仕掛けてクロスを上げ続けた。そのボールに、やはり途中出場のMF粟倉朱惟(3年)が頭を合わせてゴール前へ送り、最後は山口が決めた。「サイドの突破は自分の武器なんです。優勝はうれしい。最高です」と兼子。3戦連発となった山口も「まだ実感が湧かないけど、きょうは喜びたい」と声を弾ませた。
まだ通過点。広島でのプレーオフを勝ち抜いてのプレミア昇格が目標だ。だが新戦力の台頭など、全国選手権に向けても価値のある勝利。指揮官は「色々な戦い方ができるようになってきた」と手応えをつかんでいた。(里見 祐司)
浜松開誠館2冠 県選手権に続きU18プリンスリーグ東海初V「素直に褒めてあげたい」
<高円宮杯U18プリンスリーグ東海:浜松開誠館2-1常葉大橘>◇3日◇第18節◇常葉グリーンフィールド
浜松開誠館は2-1で常葉大橘を下し、初優勝を飾った。前半にFW坂上輝(あきら、3年)がヘディングで先制点。1度は追いつかれるも、後半にFW山口莉生(3年)の3戦連発弾で勝負を決めた。チームは県選手権に続き、今季2冠を達成した。優勝した浜松開誠館は来季のプレミアリーグ昇格を懸けたプレーオフ(9日開幕、広島)に出場する。
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浜松開誠館は最後まで勝負強かった。1-1で迎えた後半41分、右クロスをFW山口が打点の高いヘディングで合わせてネットを揺らした。途中出場の切り札が3試合連続ゴール。試合終盤で勝ち越し、歓喜の瞬間を迎えた。青嶋文明監督(54)は「夏以降は安定した戦いを見せてくれた。素直に褒めてあげたい」。リーグ戦は9月の11節から8連勝。普段は手厳しい指揮官も試合後は選手らとハイタッチを交わして目を細めた。
冷静な試合運びで勝利を呼び込んだ。後半は相手のパワープレーに押し込まれ、ゴール前で与えたFKから同点にされた。直後にピッチ上で集まり、声を掛け合った。「落ち着いてやろう」。動じずに仕切り直すと、後半20分以降は試合を掌握。途中出場した2人の連係で決勝点を奪った。先制点を挙げた坂上も「最後まで焦らずに自分たちのサッカーを貫けた」と胸を張った。
日本代表の快進撃も刺激になった。ワールドカップではドイツとスペインを破り、ベスト16入りを決めた。山口は「最後まであきらめないプレーが本当にすごいと思う。(青嶋)監督からも『勝負は細部に宿る』と言われて今日の試合に入った」。世界の強豪国に立ち向かっていく姿勢は選手の士気を上げる要因にもつながっていた。
チームは県選手権とプリンスリーグ東海の2冠を達成。目標のプレミアリーグ昇格に向けてさらに勢いづいた。プレーオフ初出場となった2016年は1回戦で新潟明訓に0-1で惜敗。青嶋監督は「プリンス優勝は通過点。慢心せずにしっかりと準備していきたい」と気を引き締めた。来季の昇格を懸けた真剣勝負が年末の全国選手権にもつながる。開誠館はまだまだ成長する。【神谷亮磨】
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