浜松開誠館・赤い稲妻⑦(スポーツ報知)
自立生活で成長したDF荒明斗空&終盤のスーパーサブFW山口莉生……浜松開誠館・赤い稲妻(7)全国高校サッカー12・28開幕
6月末から3バックの左を担当する荒明は2月生まれで、まだ15歳。もともとMFで、持ち味はドリブル突破だ。「1年生らしくドンドン強気で攻めます」と全国を見据える。
藤枝東との県選手権決勝では、そんな前向きの姿勢が勝利を呼んだ。前半7分、左サイドでこぼれ球を拾って勢いよく前進。ゴール前で相手DFに倒され、得たFKを松本大樹(3年)が直接決めて主導権を握った。大会の最優秀新人にも選ばれて「うれしかったです」
出身は栃木県。小6時に「親元を離れて自立しよう」と開誠館中を選び、浜松で下宿生活をスタート。洗濯などの家事を自分でやることで成長し、精神的にも強くなった。「静岡学園との準決勝は、初めてのエコパで緊張しました」と笑うが、決勝は「2回目で慣れた」と伸び伸びプレー。心臓の強さも大きな武器だ。
前では左ウィングバックの前田康尋主将(3年)が守ってくれる。「いつも声を掛けて助けてくれます」と感謝。先輩たちのサポートを得ながら、1年生が攻守に存在感を見せる。
◆荒明 斗空(あらあき・とあ)2007年2月25日、栃木県生まれ。15歳。サッカーは小1から。浜松開誠館中3年夏に全国大会出場。175センチ、68キロ。血液型A。家族は両親と姉。
優勝したプリンスリーグの終盤戦で3試合連続ゴールを決めるなど、存在感を見せているのが山口だ。
先月19日の静岡学園セカンド戦では、ドリブルで狭いスペースに切り込んで勝ち越しゴール。同26日の富士市立戦で2得点すると、今月3日の最終節・常葉大橘戦では後半41分に勝ち越しヘッド。県選手権では1得点と目立たなかったが、全国選手権に向けてエンジン全開。途中出場が多いながら結果を出し続け、「このプレーを継続していきたい」と勢いに乗っている。
最大の武器は50メートルを6秒0で駆け抜けるスピード。タテパスに反応し、相手DFを置き去りにしてゴールへ迫る。イメージしているのはW杯・ドイツ戦で日本代表FW浅野拓磨が奪った決勝弾。「あのプレーをまねしたい。一発で決めたい」と闘志をのぞかせる。 ピッチ上でプレーの選択を間違え、仲間に叱られることもあるが、スピードで挽回。「出番が来たら何かをやってやろうと思っています」。試合の流れを変える俊足スーパーサブに注目だ。(里見祐司)
◆山口 莉生(やまぐち・りく)2004年7月23日、愛知県生まれ。18歳。サッカーは幼稚園から。ラランジャ豊川出身。173センチ、63キロ。血液型B。家族は両親と姉、弟。
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